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鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の皮下注射療法(デュピクセント)について

2023.05.31
2020年3月よりデュピクセントという薬剤が鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対し治療適応となりました。
元来、気管支喘息やアトピー性皮膚炎の治療薬として使用されていた薬剤が副鼻腔炎に対し適応追加となり適応症例に対し使用しています。

鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎には通常の副鼻腔炎と難治性の好酸球性副鼻腔炎の2つがあります。
通常の副鼻腔炎にはクラリスロマイシンという抗菌薬の少量長期投与を行いますが、好酸球性副鼻腔炎にはステロイド治療以外治療法がありません。
また、どちらのタイプも手術適応なのですが、好酸球性副鼻腔炎は術後再発の可能性が非常に高い疾患です。
このような再発症例や手術が適応にならない方に対してデュピクセントを使用しています。

デメリットは値段です。この薬剤は非常に高価な薬剤で、なんと1本あたり6万円強もします!
導入当初はデュピクセントも注射を月に2回行います。
ただ、好酸球性副鼻腔炎は厚生労働省難病指定疾患であるため、医療費助成制度の対象となり5千円~2万円/月の自己負担で治療可能です。
通常の好酸球性副鼻腔炎の方も使用は可能ですが、もう少し自己負担金がかかる治療になります。(高額医療の対象にはなります。)
長年鼻茸に悩まされているなどの症状ございましたら、一度ご相談ください。(適応にならない場合もございます。)


受診~投与までの流れ
初診時:鼻内内視鏡検査で鼻茸を確認→鼻茸の生検、採血検査、CT検査
再診時:結果説明を行い、基準を満たした場合は難病指定を申請
最終的には手術とデュピクセント投与、その他の治療のインフォームドコンセントを行い、治療法を決定していただきます。

ご不明な点がございましたら、受診時に当院院長までお尋ねください。